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習い事の選び方:子どもの気質と、親が続けられるかで考える

水泳、ピアノ、英語、サッカー、体操、プログラミング。3〜8歳は、習い事を始める子が増える時期です。人気や評判、「将来役に立ちそう」で選ぶこともできますが、始めてみると思ったように続かないこともあります。

続くかどうかは、習い事の中身だけでは決まりません。教室の人数やテンポ、先生の関わり方といった「場」が、その子の気質に合っているかどうかでも分かれます。そして、送迎や家での練習につきあうのは親なので、親の気質も選ぶ条件に入ります。

中身より先に、「場」を見る

精神科医のトーマスとチェスは、子どもの育ち方を分けるのは、気質そのものより、周りの求めることがその子の気質に合っているかどうかだと考え、「適合のよさ」と呼びました。習い事にも、この考え方を当てはめられます。

同じ水泳でも、20人が一斉に泳ぐクラスと、3人の少人数クラスでは、子どもにとっては別の場所です。中身を決める前に、次のところを見ておきます。

  • 人数:大勢か、少人数か、一対一か
  • テンポ:次々に内容が変わるか、同じことを積み上げるか
  • 刺激:音の響く体育館やプール、大きな声で指示する先生
  • 比べられ方:試合や順位、発表会があるか。自分の前の記録と比べるか
  • 先生の関わり方:手を取って直すか、見守って待つか

子どもの気質から考える

体を動かしたい子、じっくり様子を見る子

体を動かしたい子は、座っている時間の長い習い事で苦しくなりがちです。座って学ぶ教室を選ぶなら、合間に体を動かす時間があるかを見ます。

じっくり様子を見る子は、初めての場に慣れるまで時間がかかり、最初の数回は見ているだけで終わることもあります。運動が向かないとは限らないので、少人数のクラスや、見学から入れる教室を探します。

刺激を強く受け取る子、受け流せる子

刺激を強く受け取る子は、習い事の中身より、場の刺激で疲れてしまうことがあります。響く声、塩素のにおい、更衣室の混雑。中身は好きなのに行きたがらないときは、場の刺激を疑ってみます。

多少のことは受け流せる子は、試合や発表会のような本番を、楽しめることも多い。人前に出る機会の多い習い事でも、あまり構えずに入っていける子がいます。

ひとつを突きつめる子、いろいろ試したい子

ひとつのことに没頭する子は、進み具合が段や級で見える習い事と合いやすい傾向があります。一方で、決まったやり方を途中で変えられるのは苦手なことがあり、先生の教え方が毎回変わる教室では戸惑いがちです。

いろいろ試したい子は、毎回中身が変わる教室や、数か月で区切られた短い講座が合うことがあります。飽きるのが早いのも、気質から来ていることが多いものです。ひとつを長く続けることにこだわらず、いくつか試してから選ぶ方法もあります。

人に向かう子、ものに向かう子

人や気持ちに関心が向く子は、仲間と一緒に何かをする習い事や、人前で表現する習い事に乗りやすい。ダンス、演劇、合唱、チームの球技。

仕組みや、作ることに関心が向く子は、作る、調べる、組み立てる習い事に乗りやすい。工作、科学教室、プログラミング、将棋。

4つの向きは、1人の子の中で組み合わさっています。体を動かしたい子が、同時に刺激を強く受け取ることもある。その場合は、運動の習い事の中でも、少人数で、声の大きすぎない教室を探す、という選び方になります。

いくつ、週に何日まで

習い事の数や日数も、気質によって合う量が違います。

刺激を強く受け取る子や、人の中で気を張りやすい子には、園や学校のあとに、何も予定のない日が要ります。習い事を増やすときは、家で過ごす日が週に何日残るかを先に数えます。

体を動かしたい子は、習い事で平日が埋まり、外で遊ぶ日がなくなると、家で落ち着かなくなることがあります。体を動かす習い事なら外遊びの代わりになりますが、座って学ぶ習い事ばかりなら、空いている日を外遊びに回します。

いろいろ試したい子は、数を増やすより、ひとつを終えてから次を始めるほうが、子どもも親も追われずに済みます。

体験で見るところ

  • 子どもが、何をいちばん見ていたか。先生か、ほかの子か、道具か
  • 帰り道に、何の話をするか。中身の話か、「音が大きかった」のような場の話か
  • 子どもの手が止まったときに、先生がどうするか。待つか、手を取って直すか
  • 体験が1回しかない教室なら、別の日にもう一度見学できるか。様子を見る子や敏感な子は、初回はほとんど動かないことがあります

親の気質も、選ぶ条件に入れる

習い事は、子どもだけでは続きません。送迎、待ち時間、家での練習、保護者どうしのつきあい。どこが負担になるかは、親の気質によって違います。

人と会うと疲れがたまる人には、保護者の当番や試合の応援、親どうしの連絡が多い習い事が重くなりがちです。当番や応援がどれくらいあるかを、始める前に聞いておきます。

予定をその場で決めたい人には、毎日決まった時間に家で練習につきあうことが、負担になりやすいものです。家での練習が前提になる楽器などは、教室の中で練習の時間をとってくれるかを確かめます。

段取りを決めて進めたい人は、練習の計画を立てるのは得意な一方で、子どもが計画どおりに進まないと、親のほうが焦りがちです。計画は、子どもと一緒に、少なめに立てます。

どの気質の人にも関わるのが、送迎の距離と時間帯です。夕方の送迎が続くと、夕食と寝る時間が後ろへずれていきます。週に何回、何時まで続けられるかを、始める前に見積もっておきます。

「やめたい」と言ったとき

やめたい理由は、子どもによって違います。中身が合わないのか、先生や仲間なのか、場の刺激なのか、時間帯で疲れているのか。気質によって、理由の出方も違います。刺激を強く受け取る子は「なんとなくイヤ」としか言えないことがあり、体を動かしたい子は、待ち時間の長さを嫌がっていることがあります。

理由が場にあるなら、同じ習い事のまま、クラスや教室を変えるだけで続くこともあります。中身が合わないなら、発表会まで、今の級まで、と区切りを本人と一緒に決めて、そこでやめます。

この記事は、気質についての情報です。医療や発達の診断に代わるものではありません。

出典

  • Thomas, A., & Chess, S. (1977). Temperament and development. Brunner/Mazel.

  • Chess, S., & Thomas, A. (1999). Goodness of fit: Clinical applications from infancy through adult life. Brunner/Mazel.

研究との関係と、この診断が独自に決めたことは、土台にしている考え方にまとめています。

この子に合う「場」と、 親が続けられる習い事。

お子さんの4つの軸の向きがわかれば、この記事の選び方を当てはめられます。送迎や練習につきあうあなたの気質も、あわせて診断します。

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